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COLUMN

旅でみつける名建築 第4回広島編

SUMAInoSEKKEI PLUS第2編集部 ]

 
戦後からずっと平和への祈念を建築に込めてきた街
 
ナビゲーター 山下弘行さん

1965年山口県生まれ。岡山高等専門学校建築学科卒。昭和設計事務所、井口博幸:タクト設計工房を経て、2001年スタジオアルゴ設立。
連絡先:広島市西区三篠町2-12-13
082-509-1286
 
被爆地広島は、戦後、本当に何もない状態から復興しました。多くの建築が、平和への祈念と結び付けてつくられてきたことに特徴があります。
 
1.世界平和記念聖堂
 
中でも私が一番好きなのは、村野藤吾設計の世界平和記念聖堂です。まだモノのない時代に、広島の灰を含んだ土を混ぜて焼いたレンガでつくったといわれています。そのレンガの粗い素材感や、でこぼこした積み方から、建物をつくった人々の手の感触が伝わってくるようです。私にとっては、結婚式を挙げた思い出の場所でもあります。
 
 
「塔にある洲浜形の開口部が、日本的にも見えますね」と山下さん。
「素朴な材料を表しで使った、力強い建物。築後50年以上経っても衰えることのない、手仕事のエネルギーを感じさせます」
 
設計:村野藤吾 
竣工:1954年所在地:広島市中区幟町4-42

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内部は光が少なく、ロマネスク様式を思わせる厳粛な空間。「入った瞬間、周りが暗くなり、正面に中右写真のキリスト像がぼんやり浮かび上がるんです」。
モザイクタイルの壁画にステンドグラスの光が反射する。結婚式では、本物のパイプオルガンが演奏されるそう。
(写真すべて:山下弘行)
 
2.広島平和記念資料館
 
この聖堂と並んで復興の道しるべとなったのが、丹下健三の傑作・広島平和記念資料館です。建物そのもののデザインが洗練されているだけでなく、同じ平和記念公園内の慰霊碑や原爆ドームとの関係も絶妙。資料館を見学してピロティに下りると、その先に自然と慰霊碑とドームが目に入る動線になっています。
 
 
水平に長い建物は、公園のスケールに呼応させたもの。
1階をピロティとして建物全体を浮かせ、周囲の景観を妨げないようにしている。
「このピロティの力強さは、ル・コルビュジエのユニテ・ダビタシオンに通じるもです」
 
設計:丹下健三 
竣工:1955年
所在地:広島市中区中島町1-2

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「この建物の特徴は、明解な軸線の設定にあります」。
資料館を見学した人は、建物から階段を下りてピロティに出てくる。すると、下の写真のように、資料館と慰霊碑・原爆ドームを結ぶライン上に立つことになるわけだ。
 
 
3.基町の高層アパート
 
一方、高度成長期に差し掛かる頃、原爆スラムを一掃してつくられた人口都市が、基町の高層アパート。人工地盤の下にショッピングモールを巡らせ、周辺には小学校など生活施設も整備しました。日本の集合住宅史に残る建物ですが、今では入居者の高齢化が進み、かつての活況は失われています。
 
 
緑豊かなオープンスペースは人工地盤で、その下を、ガラスのアーケードのショッピングモール(上の写真)が十字に走っている。
この人工地盤の周りを取り巻くように、高層アパートが建ち並ぶ。
 
設計:大高正人・藤本昌也 
竣工:1973年 
所在地:広島市中区基町

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通常は1層ずつ設ける梁を、2層ごとに飛ばす大胆な構造が特徴の建物。開放的なエレベータホールや、共用廊下を少なくして居住面積を広げる工夫など、公営住宅ながらオリジナリティあふれる設計。
 
 
 
4.広島市環境局中工場
 
被爆50周年の1995年から、広島市は優れたデザインの公共施設を整備する「ひろしま2045:平和と創造のまち」を展開。その一環として実現したのが、ゴミ処理施設である中工場です。建物をガラスの通路が貫き、稼働する機械と外の景観を、ともに効果的に見せています。設計の谷口吉生は美術館設計の第一人者ですが、ゴミ焼却プラントまでも美術館に変えてしまったかのようです。
 
 
埋め立て地の先端に建てられたゴミ処理施設。
近くに大きな駐車場があり、海浜公園も整備されていいる。市民の憩いの場であり、社会見学の場でもある。
建物本体から海へと突き出すガラスの箱が「エコリアム」と呼ばれる通路(上の写真)。
 
設計:谷口吉生 
竣工:2004年
所在地:広島市中区南吉島1-5-1

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道路から海へとつながるエコリウム内部では、稼働中のゴミ処理プラントを見学できる。ところどころ瀬戸内海や広島市街の景観が開ける場所もある。「景色と建築を楽しみながら、自然とゴミ問題を考えさせられる」。(談)
 
 
 
 

|  2010/07/26 16:04:21   |  閲覧:146  |  コメント:1  |

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  • grqzjxwさん

    2010/08/28 22:46:41

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